学習 書評

語彙力を鍛える方法をずっと知りたかった【書評】語彙力を鍛える 〜量と質を高めるトレーニング〜

  

今まで漠然と、言葉のボキャブラリーが豊富な人は知的に見えるな〜僕もそうなりたいな〜と考えていました。

先日Amazonでたまたま見つけた本『語彙力を鍛える 量と質を高めるトレーニング (光文社新書)』が、まさにそんな僕の願いを叶えてくれそうな本だったので、紹介します。

 

目次

 

1. 言葉の影響は思った以上に広範囲なのかもしれない

空気のような存在の言葉ですが、空気と同様、人間にとって欠かせないものだと思います。

日常使っている、聞いている言葉に対して、脳はその都度反応します。聴こえていない音に対しても、無意識下で反応しています。

さらにさらに、心の中でも、常に言葉(思考)が駆け巡っています。

 

そう考えると、言葉と僕らが接している時間は、一日の大半を占めています。

寝てる時も、脳が情報の整理をしていますしね。

 

半年前、言葉が自分へもたらす影響について興味を持ち、読んだのが下記の本です。

yachiro51.hatenablog.jp

 

この本も参考にはなりましたが、たくさんのいい言葉を浴びるだけでは何か足りないな、と感じました。

 

そんな中出会ったのが今回の本。

2. 語彙力は、語彙の量×語彙の質で測れる

この本では、語彙力を身につけるために

・豊富な語彙知識

・精度の高い語彙運用

の2つを鍛えなさい、と主張しています。

 

つまり、単純に言葉を多く知っていればいいわけではなく、それらを適切に使いこなす力が求められるということです。

例をあげると、『鬼に金棒』という言葉を知っていても、その意味や使う時を正確に把握していないと、意味がありません。

 

「いやぁ、僕にスペイン語力が加われば、鬼に金棒ですよ。」

と発言しても、

(え、もともとスゴイ存在じゃないのに何言っているんだコイツ)と聞き手が思ったら、それは言葉を正しく選べなかったことになります。

 

要するに、知的な会話のできる人は、

ボキャブラリーが豊富+状況に応じて適切な言葉をチョイスできる

力を持った人なんですね。

 

それでは、一体どうすればそれらの力を鍛えていけるのでしょうか?

 

スポンサーリンク

 

3. 語彙を大量にインプットしてみよう

まずは、『豊富な語彙知識』について考えていきます。

 

本書では、語彙を増やす方法として、11個の方法を紹介しています。

1. 類義語を考える

2. 対義語を考える

3. 上位語と下位語を考える

4. 語種を考える

5. 文字種を考える

6. 書き言葉を考える

7. 専門語を考える

8. 方言を考える

9. 新語と古語を考える

10. 実物を考える

11. 語構成を考える

 

こんなに多いとチンプンカンプンですね。

要するに、語彙を増やすには大量のインプット(できるだけ多くの言葉に触れる)が重要で、増やす際に上記11項目の視点を持つといいですよーということです。

 

例えば、3の上位語と下位語について。『携帯』の上位語は何でしょうか?

『電話』または『通信機器』です。では下位語は?

『スマホ』や『ガラケー』です。

こうした視点で言葉を考えていくと、語彙の量もグッと増えていきます。

 

やみくもに言葉に触れる、それだけだと効率が悪いので、上記11項目を意識しながら言葉を吸収するといいと思います。

 

4. 語彙の質を高めるには?

語彙の量が増えてきたら、次に意識するのは語彙の質です。

語彙の質とはナンゾや?と思う方もいますよね。本書ではそれを

文脈に合った、精度の高い適切な語彙選択

と定義しています。

せっかくの魅力的な言葉も、文脈の合わない場面で使ってしまっては台無しです。

 

「僕の5歳の娘は、『立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花』といえる女性だ。」

こんなことを言う父親にならないよう、気をつけましょう。

 

語彙の質を高める方法、これもまた量と同様に11項目あります。

 

1. 誤用の回避

2. 重複と不足を解消する

3. 連語の相性に注意する

4. 語感のズレを調整する

5. 語を適切に置き換える

6. 語の社会性を考慮する

7. 多義語のあいまいさを管理する

8. 異なる立場を想定する

9. 語の感性を研ぎ澄ませる

10. 相手の気持ちに配慮する

11. 心に届く言葉を選択する

 

ただ言葉を使う、それだけでも意識しようと思えば多様な視点を持てることがわかります。

11項目もあるので頭が混乱しそうですが、1つ1つの項目がわかりやすく説明されているので、読むのが嫌になることはありませんでした。

というより、目からウロコの情報が盛りだくさんだったので、どちらかと言うと楽しんで読めました。

 

5. まとめ

久しぶりに読み応えのある本に出会ったな、というのがこの本を読んだ最初の感想です。

知的な会話のできる30代の男性になりたい、と軽い気持ちで読み始めましたが、読み進める内に語彙力の世界の深さを知り、「これは真面目な勉強が必要だなぁ」と気合が入りました。

 

言葉とは死ぬまでずっと付き合うことになるので、今の内に鍛えておいて損はなさそうです。

最後に、この本を読んでビビっときた2つの言葉を紹介します。

 

・言葉が思考を規定する

・限られた語彙で考えていると、思考の幅も狭くなる

 

みんなで語彙力、鍛えてみませんか?

 

 今回は以上です!

-学習, 書評