今日は社会起業家について書こうと思います。
■社会起業家とは
社会や地域の課題(環境・福祉・医療・教育・貧困等)に
新しい発想で取り組み、ビジネス的手法でその解決にあ
たる人たちのこと。
これだけ聞いても「なんだそれ?」って思いますよね。
なので具体例を交えながら説明していこうと思います。
▽グラミン銀行
ムハマド・ユヌス氏(2006年ノーベル平和賞受賞)が創設。
貧困者向けに事業資金を融資し、バングラデッシュの女性の
自立支援を促している。(500万人以上に貸し付け実施)
この銀行がなぜここまで影響力を与えたのかは、マイクロクレジットと
いう手法で事業を推進していったからだと思われます。
■マイクロクレジット
少額無担保融資の意。工芸や畜産などの小さな事業を興すために
必要な数ドル・数10ドルの少額の資金を、資産や土地などの担保を
持たない人に貸し付けるという事業。
これにより今まで資金を調達することのできなかった低所得者層
(特に女性)が、融資金により事業を興し経済的自立を
果たしていったということです。
このように従来では不可能とされていた問題に対し、
新しいアイディアで問題解決に取り組む人々のことを
社会起業家(ソーシャル・アントレプレナー)
と呼ぶとのことです。
次に、僕が読んだ本で興味を持った部分をここで紹介します。
彼ら社会起業家の展開するビジネスモデルは主に以下の3つに
分類することができるとのこと。
1.外部資金活用型非営利ベンチャー
市場の失敗に対しては営利目的のモデルで対応することが
難しいことから、この場合はこのモデルが活用されることが多い。
(NPO・NGOの形態をとり、政府や財団から大半の資金を得ている)
2.混合型非営利ベンチャー
モデル1のベンチャーと同様な側面を持つが、このモデルでは
利益を上げることも考慮した活動がなされている。
例として、彼らはモノやサービスの販売により、事業コストの一部を回収する
ことがある。
これらの組織は寄付金などに依存しない持続的な組織を目指している。
3.ソーシャル・ビジネス・ベンチャー
モデル1・2のベンチャーと異なり、初めから営利目的のビジネスとして
設立される。だが収益の使い道が、民間企業とは異なった考え方をする傾向
がある。(例:最大の目標が社会変革や環境変化であり、再投資により事業を
さらに発展させ、低所得者層に有益なサービスを展開する)
ちなみに先ほどご紹介したグラミン銀行はモデル3に当たります。
面白いのは、ビジネスモデル3のソーシャル・ビジネス・ベンチャーが
アメリカ以外の国で誕生したものが多いということ。
アメリカは税控除など寛大な優遇処置を非営利組織に与えているので、
他の国に比べて資金調達が容易な傾向があります。
他の国ではそのような仕組みが整っていない国が多いので、
調達できる寄付金の額が限られてしまいます。
そのような中、「自分たちで収益を出すことで事業を展開しよう!」と
生まれた組織がモデル3ということになります。
彼ら社会起業家は、チェンジメーカーと呼ばれ様々な社会変革を促しています。
彼らを動かす原動力は「金儲け」ではなく「世の中を変えたい」という情熱です。
最近では書店に行くとずいぶん社会起業家関連の本が増えてきたと思います。
時代の新たな流れとして、彼ら社会起業家の存在がこれからますます
大きくなっていきそうです。
次回の社会起業家(2)では、日本の社会起業家の方々の紹介をしたいと思います♪
参考文献