今月10日、モザンビークで全国市長選が開催された。
モザンビークでは、市長の任期が5年で、5年毎に選挙が行われる。
前回の2013年の選挙では、第一野党RENAMOが選挙をボイコットしたので、与党FRELIMOと第二野党MDMの戦いだった。
その時の結果はFRELIMOの圧勝に終わったが、それでもMDMは北部地域のいくつかの自治体で勝利を収め、僕の住むナンプラ市も市長がFRELIMO→MDMへと代わった。
今年の選挙結果 ※2018/10/15更新
今年の選挙結果は、最新のものだと
・与党FRELIMO:44自治体
・野党RENAMO:8自治体
・野党MDM:1自治体
という結果。
第一野党のRENAMOが今回は選挙に参加。そのため第二野党MDMはほとんどの自治体を失う結果となった。
北部のいくつかの重要都市で、野党RENAMOが勝利を収めたことに驚いた。僕の住むナンプラ市や、貿易拠点として開発の進んているナカラ市でRENAMOは勝利した。
不正いろいろ
日本ではありえないことかと思うが、モザンビークでは不正投票や票数の改ざんが伝統芸のように行われている。今回も、全国のいたるところで不正事件が発生した。
不正について、いくつかニュースで聞いた話だと、
・投票所の電気を落として、そのスキに投票の水増し。
・投票所の職員が、1人の投票者へ数枚の投票用紙を渡す。
・投票結果がコロコロ変わる
→速報で野党が勝ったと報じられていたのに、やっぱり与党の勝ち、といったニュースが連日流れてくる
こんな感じだ。
正しい結果がわからなくて一悶着起きてる所がいくつかある。その中でもMaputoのMatola市が今一番騒動が大きい。
Matola市での選挙操作疑惑
選挙管理委員会の内部で与野党が対立。
公示された選挙速報の内、いくつかの公示情報は、野党職員への情報共有がされないまま公示したとのこと。
Matola市は、首都マプトに隣接する市で、人口全国No1の重要都市だ。野党RENAMOからは、名前は忘れたけど有名なオジサンが出馬していた。
僕が見た速報では、僅差で与党FRELIMOが勝ったという情報だったが、二転三転して今では誰の言い分が正しいのか不明。
全国のいたるところで、与党FRELIMOと野党RENAMOが「勝ったー!」と同じ自治体で宣言してるもんだから、カオス以外の何者でもない。
予定では既に最終結果が出ている時期だが、「あの地域は投票の水増しがあった」「この地域では結果が選挙管理委員会の間で割れてる」などなど、まだまだ結果が変わりそう。
下記サイトに、選挙後の動きが詳細に書かれてる。色々なことが起こりすぎてて、全部読む気になれない・・気合のあるポルトガル語学習者はチャレンジしてみてください。
ちょっと心配なこと
少し心配なのは、野党RENAMOが
「選挙不正に対してアクションを起こさない限り、FRELIMO・RENAMO間の平和合意へ向けた対話は行わない」と言っている点。
せっかく野党の軍隊解体へ向けて動いていたのに、これだとまた小競り合いが始まってしまう。
来年は大統領選挙が控えてる。5年前の大統領選挙期間は、野党がゲリラ活動を中部・北部地域で展開し、治安がかなり悪くなった。
今回はそのような事態にならないよう、与党は選挙不正に真摯に取り組み、野党との平和合意を進めてもらいたい。
今回は以上です。