僕はアフリカのモザンビークでバンド活動をやっています。
バンド活動、といっても、地元のイベントなどへ自分たちから売り込んで演奏させてもらう程度の、軽い活動レベルです。
1年半前から日本人ボランティアと一緒にバンド活動をしてきましたが、先日、あることで少し有名人になりました。
一瞬だけ有名になったことで、「有名人になること」について考える機会が得られたので、ここに記していきます。
世界遺産であるモザンビーク島の200周年イベント
先週、世界遺産であるモザンビーク島が200周年を迎えました。
200周年記念ということで、かなり気合が入った宣伝が事前にされていました。
□宣伝CM
200 Anos da Ilha de Moçambique
このような大きなイベントで演奏する機会は滅多にないので、直前まで知人を介して交渉!が、あえなく失敗。イベント当日に演奏する夢は破れました。
その代り、前夜のグルメ祭でなら演奏してもいいよ〜と言われたので、そこで演奏しました。
グルメ祭の様子。島なので海鮮系が多かった印象。
夕方以降、お客さんが一気に増えた。後で聞いたら泥棒も多数存在してたとか。
サトウキビジュース。サトウキビ数本を機械でガリガリ砕いて作ってくれた。レモンと混ぜて飲むと美味。
演奏動画がSNS上で拡散し、一躍有名人に
グルメ祭、音響も無い条件での演奏だったのですが、意外に盛り上がって終了。
盛り上がってよかったー。後で撮影していた日本人に動画見せてもらおう。
そんな軽い感じでモザンビーク島を後にし、滞在地へ戻りました。
〜滞在地〜
戻った翌朝、仕事先に顔を出すと現地人から
「おめでとう!」
といきなり声をかけられました。
なんのこと?と思ったら、演奏動画を嬉しそうに見せてきました。
どうやら、演奏を観てた誰かが録画し、SNS上にアップした模様。
現地語音楽を歌うアジア人が珍しかったからか、動画はまたたく間に拡散され、みんなの知る所となった。
そんな経緯で、いきなり地元の有名人になりました。
有名具合
どんな有名具合かというと、
・街のいたる所で話しかけられる・演奏した現地語音楽を歌ってくる
・レストランで食事中、流しのミュージシャンからセッションを申し込まれる
・2,000km離れた首都から演奏動画が送られてくる
など。うーん、プチ有名程度ですね。
こんな状況が、ここ数日続いています。
単純に嬉しいものかな、と思っていたら・・全然違いました。
あれ、意外とデメリットあるな。というのが正直な感想です。
有名人になることのメリット・デメリット
メリット
・いい評判があれば、相手から優しくされるアルよ!
現地語音楽を歌ったことで、地元の人からは好意的に評価してもらえました。
なので、街で声をかけられても変な絡みはなく、「現地語を話せないモザンビーク人がいるこのご時世、お前はエライ!」などと嬉しい絡みがメインです。
もしかしたら、スリやひったくりも優しくしてくれる、だろうか?それだったらかなりのメリットだけど。
・人との距離が縮まる
今まで単にすれ違っていた近所のオジサンとかに話しかけられるようになりました。
しかし、なぜか女性ファンは出てこない・・シャイなのか?オジサンとの距離はドンドン縮まってるのに。
デメリット
・プライベートな時間を邪魔される
レストランで知人と歓談してた際、流しのミュージシャンが拡散動画の演奏曲を弾き始めた時は笑ってしまいました。
チラッと見ると、アイコンタクトで呼んできました。そうか、アナタも動画観たんですね・・。
・人の嫉妬がちょっと怖い
どこにでも人の人気に嫉妬する人がいるので、意地悪されないかなぁと若干ビクビク状態。
・適当なコメントで評価される
拡散動画の紹介欄に、「現地語を歌う中国人」と書かれたため、中国人として認知されてます。ありゃー
・誹謗中傷に傷つくよ、にんげんだもの
銀歯を『腐った歯』と書かれた日には、結構ダメージ受けました。
「反応しない練習」をもう一度読み返してみます。
あなたは有名人になりたいですか?
今の世の中、インターネットで一般人が一気に有名人に、なんてことが起きます。
個人の情報発信力が昔と比較にならないぐらい強いので、プチ有名人程度なら努力次第でなれます。
「有名人」って、響きだけだとすごくカッコいいですよね。
でも、有名になることで楽しく生きれるかどうか
そこを考えた上で目指したほうがいいのでは?というのが僕の意見です。
・プライバシーを失ってもいい?外を自由に歩けなくなってもストレス溜まらない?
・それらと引き換えに得られるもので幸せ感じられる?
有名人を目指す前に・なんかの拍子で有名になっちゃう前に、「自分は有名になっても大丈夫だろうか?」と少し考える時間を設ける。それがいいのかなぁと。
ということでした!
今回は以上です。