日本に戻りました。
さて今回は、20時間弱あるモザンビーク〜日本間のフライトを利用し、
鑑賞した映画の1つをご紹介します。
今回ご紹介するのは、これ。
『The Birth of a Nation』
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簡単あらすじ
アメリカで奴隷解放運動を行った、アフリカ系奴隷のナット・ターナーが主人公の映画。
奴隷であると同時に神父であったナット。
白人に仕える奴隷たちへ宗教説教を行う中で、過酷な奴隷制度の現実を目の当たりにする。
悩みながら仕事を続けていた彼だが、ある日ついに我慢の限界に達し、
白人に対して反乱を起こす。
彼の解放活動は、果たして成功するのか?
ナット・ターナーは実在した人物!
映画の主人公であるナット・ターナーは、19世紀のアメリカに存在していました。
ナット・ターナーまたは単にナット(英:Nat Turner、1800年 10月2日 - 1831年 11月11日)は、アメリカ合衆国の奴隷であり、奴隷反乱の指導者である。通常はナットと呼ばれていたので、以下ではナットと表記する。ナットの反乱は1831年、バージニア州のサザンプトン郡で起こり、アンテベラム(南北戦争に向かう時代)の南部では最も注目された黒人の反抗事例となった(ナット・ターナーの反乱)。
キリスト教の信仰の厚い人物で、反乱を開始する際は
「天から声が聞こえた」と言っていたようだ。
ナットが起こした反乱は、当時としては最大規模で、
白人によって支配されていたアメリカ社会に大きな衝撃を与えた。
映画を鑑賞→奴隷制度の理不尽さをまざまざと見せつけられた
この映画、心根の優しい人は観ないほうがいい。
かなりバイオレンスな描写があるので、天気は晴れなのに心は曇り、なんて心境になる可能性がある。
当時、白人の中に「奴隷制度」へ疑問を抱いた人物はいなかったのか。
自分より劣ると判断しただけで、人は人をモノ扱いできるのか。
観ながら思考が駆け巡った。
奴隷制度は、
「人は不幸のドン底に落ちてもいい、俺とその周囲だけ最高に幸せにしたい」
という思想がベースにある。
今でも大なり小なり、上記思想を抱く人は存在すると思うが、
「社会」が成熟したので、奴隷制度は認められていない。
もちろん、「社畜」という言葉があるように、奴隷と同種類の虐げが今の世の中にあることは、否定しない。
でも、レベルが違う、虐げの。
僕は個人的に、社会は少しずつ成熟している、と考えている。
奴隷制度が社会的に容認されなくなったことも成熟の証だし、
消費社会が一段落して、「持続的な営み」を意識し始めたことも、
人間社会が成熟の道を辿っている証だ。
この映画を鑑賞すると、ほとんどの人は嫌な気分になるだろう。
その感覚は、昔の人が持てなかった感覚。
絶対観たほうがいい!と進めるほど明るいストーリーではないが、
過去の常識を覗きたい人には鑑賞を勧める。
主人公を演じた俳優(兼監督)、人間性に問題ありか?
劇中、温和で優しい心を持つナット・ターナーを演じた、監督兼俳優のネイト・パーカー。
過去のレイプ疑惑が浮上し、本作の放映にも影響を与える事態となっている。
「人は不幸のドン底に落ちてもいい、俺とその周囲だけ最高に幸せにしたい」
彼もその思想を持つ人の一人だったのだろうか。
今回は以上です。