故障したタクシー車両、いっこうに修理終わりません。
修理工が儲けのために壊している、と疑い始めてもいいでしょうか。
日本人が車の修理事業を始めれば、アフリカで流行ると思います。
日本製の部品販売も同時に行えば、お金持ちがドンドン集まるでしょう。
ただ、偽物を売っている外国人(車両関係だと、ナイジェリア人やソマリア人)から目の敵にされ、ヘタすると命を狙われるかもしれません。
ということで、アフリカで車両部品販売を試みる際は、細心の注意を払って始めましょう。
さて、今回は、タイトルに書いたことに関して、自論を語りたいと思います。
まず最初に、アフリカはなぜ、今に至るまで圧倒的に貧しいのか?
そう考えたこと、ありませんか?
僕はかれこれ、6年間、アフリカのモザンビークに暮らしています。
モザンビークは数年前まで、経済成長率7%程度を維持する、勢いのある国でした。
(今は、与野党のいざこざや、政府の隠し債務発覚などにより、経済停滞中です)
6年間で、目に見える変化はたくさんありました。
新しいスーパーマーケットができたり、国道がアスファルトになったり。久しぶりにモザンビークを訪問した日本人は、その変化に驚きます。
でも、貧困が劇的になくなっているのか考えると、そうでもないです。
街から20km離れれば、電気や水道の整っていない村だらけ。
木炭売りの人は、朝早く村を出、自転車で街中へ行き、1日中買い手を探します。
運が良ければ売れますが、それでも1日300円程度の売上にしかなりません。
最低賃金は年々上がっていますが、そもそも働き口が少ないので、その恩恵に預かれない。
この状況、長く住んでいると当たり前のように感じてしまいますが、本当は異常です。
植民地支配や内戦が終わって数十年。それでも、きれいな水にアクセスできない人が山のようにいて、鍬(くわ)だけで農地を耕すしかない農民ばかり。
なにか原因がなければ、ここまで貧困が続くことはありません。
私なりに考えた結果、ある一つの仮説にたどり着きました。
アフリカの貧困がなくならないのは、それを願う人が多いからだ
そう考えた理由を、3点、これから説明していきます。
- 1. 資源獲得を目的にしてる国は、現地に発展されると動きづらくなる
- 2. 権力を持った現地人は、そのままで豊かに暮らせる
- 3. 昔から根付いている外国人(旧宗主国、インド人、中国人など)は、現状が一番動きやすい
- 結論 :アフリカの貧困は、力のある人間に支持されている
1. 資源獲得を目的にしてる国は、現地に発展されると動きづらくなる
アフリカは資源大陸、と呼ばれるほど、天然資源にあふれた場所です。
最近でも続々と、石油、石炭、天然ガスといった資源が、アフリカ各国で見つかっています。
天然資源を欲している国は、主なところでアメリカ、中国、インド、EU、日本です。
先進国が、自国で必要な天然資源を、血眼になって探し回っている、そういった状況です。
彼らにとって、アフリカはいい所です。
お金がないから、資源開発は、先進国に頼らざるを得ない。
先進国は
「あなたの国の経済成長のため、喜んで協力しますよ。」
と、甘い言葉を吐き、資源開発の主導権を握ります。
主導権を握れば、こっちのもの。資源開発で潤うのは、その先進国と現地の一部権力者です。
次のポイント2で話しますが、
現地の一部権力者は、そのままで十分すぎるほど豊かなので、『現状を変えよう!』とは思いません。
そう、一部の人にとっては、貧困は問題でなく、むしろ維持したい快適空間なんです。
もし、アフリカの国が先進国並に発展したらどうなるでしょうか?
対等、いや、自国民で資源開発を行えたら、優位に立って交渉できます。
資源の国内使用量が増え、経済成長も加速します。
そもそも論として、アフリカが発展して先進国並になってしまったら、いくら資源があっても足りない状況に陥ります(世界のエネルギー消費量がすごいことになるので)。
そうなってしまったら、資源価格は高騰し、資源の持たない先進国はピンチです。
つまり、先進国にとってみたら、アフリカに発展されると、困るのです。
彼らが成長してしまうと、それだけ資源開発に介入するすき間が無くなりますから。
2. 権力を持った現地人は、そのままで豊かに暮らせる
2点目はこれです。
現地人の中にも、貧困が続いていいと考える人はいます。
例えば、官僚や議員。彼らはえげつないほど、利権に絡んでます。
他国からの援助資金は、官僚や議員の息のかかった企業の懐に入ります。それも結構バレバレに、です。
僕が最近耳にした話ですと、モザンビークの某州知事が外国企業と手を組んで、開発援助機関からお金を引っ張ってきたようです。
州知事と外国企業が潤っても、一般市民の生活は何も変わりません。相対的に貧しくなります。
ちなみに、アフリカ人のお金持ちは、一般日本人よりお金を持っている人が多いんです。
薄給の政府職員でも、土地や家をたくさん所持していますし、権力を利用したビジネスで成功している人も多いです。
たぶん、貧富の差がなくなって一番困るのは、国内の権力者たちです。
いい暮らしができているから、無理して貧困を無くさなくてもいい。
欧米諸国が勝手に国境を決めて国を形成したので、愛国心も日本などと比べて低いのかもしれません。
一家の繁栄が一番、なのでしょうか。
3. 昔から根付いている外国人(旧宗主国、インド人、中国人など)は、現状が一番動きやすい
最後のポイントです。
アフリカにいくと、必ずいるのがインド人と中国人です。
彼らのネットワークはすごい。自分たちの中で利益が回るようにしていますし、現地政府も手懐けています。
以前、中国人の友達(20代前半)とディスコへ行った際、彼がベロベロに酔っているのに、車で僕を送ろうとしたことがあります。
おい、それは危ないだろ、と忠告したら、
「平気さ!警察のお偉いさんとは、よく知っている仲だから。」
と言われてあ然としたことがあります。
おそらく、インド人や中国人相手に裁判を起こしても、モザンビークでは勝てません。
アフリカでは、彼らと事を荒立てないことを強くおすすめします。
ここモザンビークでは、インド人の力が強いです。
土地や建物をがっちり抑えているので、どうやっても儲かる仕組みができています。
彼らにとって、現地の発展はどういった意味を持つのか?
・国の制度がしっかりしたら、癒着や賄賂という強力なカードが使いづらくなる
・優秀な現地人が増えたら、今までのように、上から目線で労働者をこき使えなくなる
・他国からの援助金を掠め取れなくなる
国が発展するとマーケットが拡大するので、それはそれでチャンスだと思います。
しかしながら、その発展は彼らにとって、全体的である必要はないのです。
自分たちにとって望ましい発展、見た目上は国が発展しているようにみえて、実は潤っているのは自分たち。
それでいいんです、彼らにとっては。
優位な立場で既得権益を拡大していけばいいので、アフリカの国は成長しなくていいんです。
結論 :アフリカの貧困は、力のある人間に支持されている
アフリカの貧困解決を願う人はたくさんいると思います。
ですが、残念なことにその願いは、現地に密接に関わっている人間の
「貧困は無くならなくていい」という願望にかき消されています。
彼らは、先進国、現地の権力者、現地に根付いている外国人という、アフリカ国内に強い影響力を持っている層です。
彼らが貧困を無くそうとアクションを起こさない限り、貧困はアフリカに住み続ける。
僕はそう考えています。